今更ですがトレーニングにおけるRMとREPの考え方について
めちゃくちゃ今更ですが、みんなが頭を悩ませる「トレーニングに最適なREP数とは」という点ですが、これは様々なデータからすでに結論が出ていることでもあります。しかし、そのREP数の効果がこうだから、自分が望んだ通りのトレーニングが出来るかというとそれはまだ別の話だったりします。
そこで今回は、RMやREPという考え方からトレーニングメニューをどのように考えるかについてちょっと書いてみたいと思います。
テーマの確認
トレーニングにおけるSETごとのREP数はどのように考えて設定するか?
前提 RMの確認
まず、REP数を設定するための前提条件となる「RM=Repetition Maximum」をおさらいしたいと思います。
Repetition Maximumとは、その言葉通り「繰り返して行える最大数」という意味です。つまり、1RMだと限界ギリギリ1回しか挙上することが出来ず、12RMであれば限界ギリギリで12回おこなえると言うことになります。
よくトレーニングの紹介で10-12REPSといった表現で書いておりますが、これは概ねRMという意味であり、1SETで10回から12回が限界ギリギリあげることが出来る重量設定をするということとなります。
ただ、ここで問題となるのは
- 10-12REPS(=RM)で重量を設定し、同一のREP数でSETを重ねた場合、後半SETでは疲労から狙った重量をあげることが出来ないのではないか?
- じゃあ疲労に応じて重量を毎回変更するのか?
- それらをふまえてREP数=RMをどの程度に設定するのがよいのか?
といった点ではないかと考えます。
次に、どの程度のREP数=RMがトレーニングには適切なのかということです。
一般的に言われているのは
- RMが少ない=高重量=筋力向上
- RMが多い=低重量=筋肥大
となっております。
もっと細かく書くと
1-5RM:神経系及び筋力
6-12RM:筋力及び筋肥大
12-15RM:筋肥大及び筋持久力
16RM以上:筋持久力
となり、一般的に良く割れる1SETで10回おこなうというのは、筋力と筋肥大をバランスよく鍛えるということを目的にしていることから広まったと勝手に想像しております。
ちなみに自分のRMを知りたい人はネットで検索したらすぐに換算表が出来ますので、別にMAXをしらなくてもトレーニング記録から算出することが出来ますので見てみてください。
個人的意見です
以下は競技的パフォーマンスの向上を目的とした意見ではないことをご理解ください。
競技パフォーマンスの向上と、ボディメイキングはある意味で背反しており、パフォーマンス向上のためにウエイトトレーニングが取り入れられることは重要な意味を持っているものではありますが、ボディメイキングに適したプログラムがスポーツパフォーマンスの向上に直接的に非常に有益とはまったく思っておりません。それならマッチョはみんなスポーツ万能になっちゃう。それにスポーツパフォーマンスの向上は競技練習が最も最適であり、ウエイトトレーニングはそのパフォーマンスの向上の底上げ、補助であると考えております。
前置きが長くなってしまいましたが、前提で述べたとおりRMには回数によって有意義に向上する要素が変わってきます。ボディメイキングの視点からいうと筋肥大を最も最優先にしなくてはならず、それであれば「6-15RM」を狙っていくということが重要となります。
しかし、筋力向上は結構というか、若い人や才能ある人でもなければすぐに停滞してしまい、結構多くの人が「なかなか重量をあげることができず、同じ重量で長期間同じSET数、REPS数でトレーニングをすることになり、それにより筋肥大も停滞してしまう」というジレンマに陥ってしまう経験をされているのではないでしょうか?もちろん僕もあります。
じゃあ筋力狙いで少ないRMを積極的にトライしたらいいのかというと、それでは思ったような筋肥大が得られない。私のようなおっさんでは下手すれば怪我してしまうという可能性も高く、目的であるボディメイキングの成果が得られないということもおきてしまいます。
特に怪我という点については本当に気をつけるべきことで、どれだけストレッチ等でケアをしていたとしても、40歳前後からほんとに気軽に体は怪我をしやがるようになってきます。めちゃくちゃ認めたくないのですが、これが事実だったりします。
ではどうするか?僕の意見をまとめると、40歳前後のおっさんはとりあえずこんな感じが良いのではないかと思っております。
- ターゲットの部位ごとでかならず3種目以上トレーニングする
- ひとつの種目でおこなうSET数はかならず4セット以上とする
- 設定RM/REP数は最終SETで実現できるように設定する
もうちょい説明すると、まず最初にやや筋力狙いの種目を行い、次に筋力と筋肥大をバランスよく狙った種目をおこない、後半に筋肥大をターゲットとした種目を行うことでメリハリをつけるというものです。
自分が考える推奨プログラム
個人的意見を踏まえて、それぞれのイメージを説明していくと
第1種目 ミッドレンジ 8-10REPS
第2種目 ストレッチ 10-12REPS
第3種目 コントラクト 15REPS
となります。
これは僕が今現在トレーニングをしている中でベストだと考えているバランスで、何よりかなりの確率を怪我の発生を予防することが出来る重量感だと考えています。まぁ行ってしまうとPOF法なんですけどね。本当は5RM狙いなども筋力向上の面では非常に有効なのですが、はっきり言います、そんなトレーニング続けてたら僕のようなトレーニングの才能が無い一般人は今の年齢ではすぐに怪我をしてしまいます。
なので、ある程度REPS数が多い、ほどほどのRM設定をすることが重要だと考えています。あえて言うならばさらに最初にコントラクトを取り入れて予備疲労法的なアプローチを加える、ぐらいでしょうか。
また、推奨REP数に幅をもたせていますが、SETごとで最大REP数が出来る場合と最小REPしか出来ない場合が混在してもよいと思っており、それが狙いだったりもします。
上記を踏まえて、それぞれのSETごとのREP数たとえば大胸筋をイメージしてプログラム及びSETごとの雰囲気をまとめると以下の通りとなります。
【第1種目】ベンチプレス(ミッドレンジ/コンパウンド)
1SET目 10REPSを多少余裕をのこしてできた
2SET目 10REPSがちょっと苦しかった
3SET目 8REPSがちょっと苦しかった
4SET目 8REPSがギリギリなんとかできた
【第2種目】ダンベルフライ(ストレッチ)
1SET目 12REPSが多少余裕を残してできた
2SET目 12REPSがちょっと苦しかった
3SET目 10REPSがちょっと苦しかった
4SET目 10REPSがギリギリなんとかできた
【第3種目】ペックデックorバタフライマシーン(コントラクト)
1SET目 15REPSが余裕を残してできた
2SET目 15REPSが多少余裕をのこしてできた
3SET目 15REPSがちょっと苦しかった
4SET目 15REPSがギリギリなんとかできた(できなかった)
※上記プログラムはウォーミングアップは含まれておりません。
言葉で書くと結構簡単なもんですが、この最後のSETがギリギリなんとか出来たというところに持っていく重量設定は意外と難しいものだったりします。
最後に
推奨例として挙げたプログラムは3種目で設定していますので、たとえば脚と胸をセットにトレーニングをするなど1日2部位でおこなう場合はちょうどよい時間、負荷のバランスになりますが、単一部位だけのトレーニングとなる場合では少々物足りなくなったりする可能性があります。その場合、最初にコントラクト種目を足すか、ミッドレンジ/コンパウンド種目とストレッチ種目を増やす、そういったアプローチが良いと考えます。
また、別の考え方としては1種目の中で最初に8-10RM、中盤で10-12RM、最後に15RMでやるという方法もあるかと思います(当然それぞれで重量を変化させます)。同一種目でSETをおうこごとに当然余裕があれば重量はあげていく必要はありますが、重量を落としていくのは筋力向上に適していないと考えております。そのため重量に余裕があれば増やしていくのが良いのではないかと感がています。また、単純に重量を変えるのがフリーウエイト種目だと面倒なので、あげたり下げたりを繰り返すのではなく、アセンディング(方向)で徐々に増やしていくイメージだけであれば、最終セットとそのまえのセットあたりは同一重量となり、多少なりとも重量をかえる手間を減らせると考えます。
この内容をみてぬるいなーと思われる方も多いのではないかと思いますが、これぐらいの意識をもってやらないと本当に怪我をしてしまいますし、これぐらいはやらないと筋肥大をえることも難しい、それが40歳前後という年齢だと思っています。
もし自分のトレーニングメニューを考えるときに、多少でも参考になっていれば嬉しいです。40歳前後のトレーニーの皆様、年々衰えるからだと向き合い一緒にがんばりましょう!!